商品本部 CW事業部 副部長
T・T
昨年急に副工場長に。手探りのなかにも、コンセプトに沿った組織を実現したい。
昨年(2018年)9月まで分析部門でチームマネージャを。10月から工場全体を見てくれということで副工場長を任命されました。インタビューを受けた2年目のSは私の部下でした。
現在は実は、2足の草鞋状態でして。副工場長としてはまだ、どのくらい処理しているかとか在庫状況やデータなどを把握している段階で、調査事業、分析も一部やりながらの毎日です。
今まで工場には5つのチームがあったのですが、私が副工場長になったタイミングで1課、2課の大きな二つの組織に編成されました。今回は突然辞令を聞かされまして。驚きました。そこから直接、工場長のお考えを聞くといった経過でした。
5つのチームから2つの大きな課へ。これには工場長の強い意向がありました。そもそも「チーム」と表現することは好ましくない、と。これは組織論のひとつと思うのですが、業務を固定化するメリットはあっても、自分のチーム以外の人・業務は関係ない、情報もない、そうするとみんなが思考が停止してしまうということが起こるんですね。
今後は工場全体で運営していくようなイメージで行こうということになりました。みんながこの工場の構成員であると。忙しい工程があれば工場全体に共有して、人員なりをフレキシブルに回すなどしてですね。人ひとりの意識が工場全体へ広がれば、情報も人も流動しますし、個々で出し合ったアイデアを共有して、現場で柔軟な対応が可能になっていきますから。
副工場長としては、そうした新しい組織作りを目指してやっていきたいと思っているところです。
自分の担当する一課を少しご説明すると、依頼先からの荷物、つまり産業廃棄物を受け入れるところですね。
運び込まれた産業廃棄物の中身や状態の確認を行う。
次に二課のほうが実際に水処理を行ったり、プラント、焼却炉を動かしたり、実際に処理を行うところになります。
そして処理後の成分や、処理到達度の確認を、私がまだ担当している分析チームが行うといった感じです。
大切にしているのは、後工程を常に意識すること。常に「答えを出す」こと。
仕事をする上で大切にしていることは「後工程」ですね。
今やっていること、自分たちのやっていることの後に悪い影響を及ぼさないように、特に気を使っています。時間もそうですし、あらゆる意味で、ですね。
大切にしていることのもうひとつには、どの案件にも「望まれる答えを出さなければ」と思っています。
調査・分析部門にいたときは、分析をしたらだいたいそれで任務遂行でした。でも今は副工場長になったために、分析結果を出したあと、処理までしなくてはいけなくなったわけです。
いろいろなものが混ざり化学変化を起こした廃液や廃棄物を、どう処理をすれば安全か。まったくのゼロ状態から結論を出さなくてはいけないこともあるわけです。
その液体を持ってきた依頼主ですら中身がわからない、なのでまず調べてくださいという依頼があるんです。もちろんどう廃棄したらいいかわからない。
こういうケースは例えば大学の研究室などからの依頼です。研究者さんが異動かなにかでその部屋を離れてしまい、多くの試薬やサンプルを残していってしまう。後任者や大学側はそれがなんだかわからないけど処分したい、といった場合です。
それが単なる試薬かもしれないし、お茶かもしれない。あるいはすごい毒物や感染性の高いものかもしれない。
置いてあった場所、環境によっても違ってくる。考えられる幅はかなり広いです。
でもどんなに試しても全部わからないことがある。100%まではわからない「不明物」、という結論があるんです。
ウチもあらゆる分析機器を使えるわけではない、設備と方法は限られていますので、「わからない」が答えとなることもあります。依頼主の欲しい答えに達し、ご納得頂けること、これは常に頭にありますね。
当然「安全」でなければならない。全員が無事に作業を終えると、それだけで嬉しい。
リスクと隣り合わせだから、その日何事もなく仕事が完了するとホっとします。仕事で成果が嬉しいと思うより先に、安堵感ですよね。
皆さんを怖がらせるわけではないのですが、常に怖がっている自分がいます。容器の蓋を開けたとたんにガスに暴露するかもしれない。調査対象は放射性物質かもしれない。夢にも見ますよ、薬品の蓋が自分に向かってくる夢。
トントン拍子で次々に物事が運んでしまうとそれはそれでリスクが高くなる。あまり慎重にやったら期限に間に合わない。追われる感じでひとつひとつの工程が無事に済み、依頼主にご納得頂けたときは、本当にホっとしてしまいます。達成感や嬉しさ・・とは違うんですね。安堵感です。
この仕事の面白いところは、探偵が犯人やトリックを的中させるようなところでしょうか。
口に出しては言わないんですよ、自分は。でも案件を進めていきながら、心のなかで「アレじゃないのかな」と思った薬品名に本当に辿り着けることがあるんですね。そういうときの優越感ですかね。自分だけが知っていた!
といった・・・探偵が犯人を最後に追い詰めるときのようなね笑
どんな仕事でも、がんばった末に真実に辿り着くということには爽快感があると思うんですけど、自分やメンバー、設備などへのリスクが常にあるので、もう少し何か本能的な解放感があるんですね。あらん限りの知力を尽くして時間内に脱出した、というような面白さがあります。
肩書がつくと、途端に現場感覚が鈍る。実務者でありたい。
役職がつくのは本来はいいことなんですけど、ペーパーワークでいっぱいで、現場で手を動かせなくなるのはとても怖いことなんです。自分の感覚が鈍れば、それだけ判断にも影響するはずですからね。最近の現場をわかっていないのに、となると指示するにも自信がなくなります。単に作業ができなくなると、疎外感があったり自分が寂しくなる、というだけかもしれませんけどね笑
今後の希望としては、調査や薬品の仕分けなど、ちょっとでも現場作業に携わっていたいです。
会社の魅力、個人的な想いをお伝えします。実は「分析」は専門外でした。
ここまで言っておいてナンですけれども、私は実は分析を専門にやってきたわけじゃないんですね、バリバリの化学屋でもない。分析の担当になって、やるにはやるんですけど、分析とは何ぞやというところがわからなかったんですよ。
人に指示を出しても、その実、やれる人に依存するだけ。人に頼ることを「仕事」としてしまうのは嫌でしたから・・・自分はもう一度、学校に通わなければと思うに至りました。
学校に通うとなったら、当然欠勤が多くなりますよね。退職までは考えなかったんですけど、許されるなら時給で働かせてもらいたい、でも正社員という立場は捨てるしかないなと考えていました。わからないまま進むよりはそのほうがいいだろうと思った。それで会社に「おひまをください」とお願いしたことがあるんです。
そしたら、社長はわけを聞いて理解してくれて。行ってこい、と背中を押してもらった。幸せなことです。
八王子で働きながら、大阪にある専門の学校に通い、2 年間でいくつかの資格を取得して無事に卒業することができました。その間出勤できない日数分は減給と思っていましたが、それも免除されました。
普通の会社では、自分から学校に行くとなったら夜間か通信でもないかぎり退職ですよね。だから本当に、幸せなことでした。
・・・と、こんな実例もご紹介できましたが、望めばなんでもさせてくれるのがこの会社です。
会社の魅力は、と聞かれると、まずこのことが頭に浮かびます。
自分はこの会社のためにこうしたい、こうでありたいということを述べれば、賛同して応援してくれるんです。
他にありそうで、実際はあまりない社風なんじゃないかな?と思っています。
社員の成長が会社の成長。だからなんでもやらせてくれる。
ウチの会社に興味がある人、入社希望の人へお伝えすることがあるとすれば、先ほどの「会社の魅力」になると思います。なんでもやらせてくれる会社です。
これには少し背景があって、最初に工場の大胆な組織編成についてお話ししましたよね。いい意味で流動性が高いといいますか、仕組みがまだ、完全には整っていない会社なんですね。つまりかなり、自由です。社員も組織も、変容の可能性を残している。
これは社長のお考えなのですが、仕事を通じて人間性を磨いてほしいということに通じています。会社は自社の成長性を認識していて、社員のひとりひとりのやる気を後押しできる、むしろ期待しているんです。
自分たちで「これが必要だ、だからこうしたい」ということが説明できれば、なんでもチャレンジさせてくれます。またメインの業務に直接関係はなくても、こういうことがしてみたいという希望に対して、必要がないとか前例がないとしてダメだとすることもないでしょう。
自分も分析関係の部署に入ってから、高額な機械をいくつも購入してもらいました。研究や実験はどんどんやって、試薬の新しい処理法なんかを編み出す人が出てきたらいいですよね。化学は専門じゃないけど、設備の開発やメンテナンスをやっていきたいんだと言ったらそれもアリです。
本当に、なんでもやらせてくれる会社なんですよね。そうだ、化学がわからないとこの会社ではやっていけないということもありません。高校の化学の教科書を学ぶところから始める人もいます。
入社時に持って来る知識より、興味を持ち、自身やノウハウを開発していくような向上心をこの会社は求めているんです。