商品本部 CW事業部
S・C
どんな仕事かと一言で言うと・・「分析」です。
有害な産業廃棄物を処理したとされる液を、本当に処理できているかどうか確認する、そのための分析です。
有害な物質というのは、重金属と呼ばれる・・・例えば水銀などですが、処理が終わったあと、それがちゃんと取り除か れているかどうかを調べる部署なんですね。
いくつかの分析方法があるのですが、メインは“ICP(誘導結合プラズマ)発光分光分析装置”という機器を使って、サンプル溶液中の物質の種類や量を測定する分析法です。
分析対象のサンプル溶液は、大概沈殿物がある状態で渡されるんですが、この装置にかけるためには全体が完全にサラサラした液体でなければなりません。なので酸分解、サンプル溶液に酸を入れてグラグラ熱して、沈殿物や金属を溶かす処理が必要になります。この工程が結構、時間がかかりますね。
そして先程の ICP 発光分光分析装置にかけて、結果を出します。処理現場担当の方々がそれを見て、もっと対処が必要か OK か、判断することになります。こちらでは敢えて判断はしません。基本的には結果を現場に提示するまでが業務です。
怪我や事故もあり得る職場だから、小さな会話を怠らない。
ありきたりになりますが、私の職場は“ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)”が大切です。
複数人で同じ分析室で作業しています。それぞれが別の器具や薬品を扱うなどしているため、作業中に声を掛け合わないと危険があるんですね。この器具は洗ってある、洗っていない、この装置は昨日までどんな状態だったとか・・そういうことを伝達しあっていないと、不具合があったときに発見が遅れてしまったり、それで大怪我をする恐れもあるんです。
例えば分析に使った廃液なんかがポンと置かれていたりすると、その中に何が含まれるかは分析した人にしかわからない。それを人に伝えておかないと、他のメンバーにはどこにどう処分したらよいかもわからない。含まれているものによって処分の仕方が違います。特に厄介なのは水銀です。誤った処分をしてしまうとそれだけで事故と呼んでいいくらい、危険なことなんですね。
「ホウ・レン・ソウ」なんてありきたりなことを、大切と実感したのにはきっかけがあって。ICP の分析はメンバー内で交代で回しているんですけど、ある日、なんか今日様子がおかしいぞ?ってなったんです。昨日何かあったの?という話になって、やっとメンバーの一人が「そういえば昨日こんなことがあって」と。それが結構、大ゴトだったんですよ。「なんで早く言ってくれなかったの!」って、大慌てで対処して。
日常的にも、自分がやろうとしていた作業を他の人がすでにやっていたりして、アレ?って。声を掛け合わないと、なんだか上手くいかないことがあります。大抵はほとんど問題のない、行き違い。でも、報せない、知らない、で進行するのが当たり前になれば、いつか予測を超えるカン違いやミスが起こるかもしれません。職場では会話やメモなどで報告や連絡を行っているんですけど、こんなアナログなことでも疎かにすれば、分析室は安全に、うまく回らないんです。
そういうこともあって、この職場では人間関係を大切にする人が向いているように思います。研究職なのに、と意外な感じがするかもしれませんね。
でも、「この人に話しかけるのは面倒」と思うと、人はついホウ・レン・ソウを避けてしまうじゃないですか。結果、私は「誰とでもしゃべりやすくしておきたい」と考えるようになって、休憩時間に人に会ったら気さくに振る舞い、自分から話しかけるようになりました。そうすることで「誰からも話しかけられやすい人」になれれば、と思っているんです。
日頃の思いを綴ったら、なんと表彰されることに。
社内で社員啓発のスローガンを募集をしていまして・・私が表彰されることになりました。
私は2本応募して、ひとつが最優秀賞を頂いてしまったんです。聞いたところでは、全社で 100 以上の応募があったようです。
応募したスローガンは「違和感は 事故の前触れ 見逃すな!」です。
最初は言葉をまとめきれずにいたんですが、ある時調べ物をしていて「違和感」という言葉に行き当たり、ハッとしました。毎日毎日分析室で気をつけていること・・・精密機械や薬品から感じる、いつもと違う何か。いち早く見つけたい異常な何かが、「違和感」というひと言に集約していると感じたんです。
違和感を気にも留めずに作業していて、先輩に「あれ?こうなってる!」と指摘されてしまって、何度か悔しい思いをしました。誰かの責任というわけでもない違和感を「まあいっか」と見過ごしていて、重大な問題となったこともありました。
違和感を見逃さず、その時「なんで?」ともう一歩踏み込んでいたら。
こういう会社なので、社内のどの部署、どの現場でも危険があり得るでしょうし、その共感が受賞に繋がったのかなと感じています。
今日はこれから表彰式があります。賞品の図書券を貰えるのですごく嬉しくて。何を買うかは、シークレットです(笑)。
今の目標は、知識豊富な上司と張り合えるようになること(!?)
分析室はすごく穏やかで冷静な雰囲気のチームです。業務も分担が進んでいる性質上、あまり大きな起伏はないところなんですね。逆に言うと安定していて、働きやすい。私も特別落ち込んだり、喜んだりといったことはないかな。
私の上司は分析を専門にやってきた方で、こうすればいい、ああすればいいよ、と教えてくださったり提案してくださる。
すごく豊富なんです、知識もご経験も。
現状、与えられた仕事はできるし、説明を聞けば「ああなるほどね」、と理解はできますが、同じ手法を思いつくことはできないし、説明に対して「でもそれはこうではないのか」と内容を検証することもできない。まだ自分で考えることができないんです。よりよい分析を目指して、少しずつでも上司と会話が成立するよう、そしていつかは上司に張り合えるよう(笑)、勉強する必要があります。
地球環境の保全に携わっている、それがやりがいです。
まだ2年目なので、できないこと、知識が及ばないことがあります。もっと勉強したり資格を取ったりすれば、こうしたほうが良い、あのやり方のほうが良い、などの選択の幅が広がるはずです。
勉強がダイスキ!とか分析を極めたい!というわけでもない私ですが、化学的な知識が広く深いほうがいろいろな工夫ができるし、危険を予知することもできる。不安がなくなると思うんです。
自信を持って、自分で仕事を組み立てられるようになれば、もっと仕事が面白くなると思います。
やりがいとしては、ちょっと大きな話になりますが、社会の中での「この会社の役割」のほうに意義を感じます。
ビジネスではあるんだけど、地球環境の保全に携わっている。そのほんの一部に自分が関わっていられることが嬉しいですね。
実は会社が持っている目標やビジョンに対しては、私のレベルではほとんどまだ意識が行かない状態なんです。ひとつには、重金属処理の現場にしても分析室にしても、改善しなければならない問題がかなりあって、チーム全体も対応に追われているからです。
あとは、社長の仰ることを聞く機会にはきちんと心に留めておきつつ、いざ何かオーダーがあったときに備えておかなければ、と考えていますね。つまり会社の方向性が一つこうと決まって、分析室が新しく機能しなければならないときに、自分やチームはどの状態にあって、何がどこまでできるか、といったことがしっかりわかっていないと役に立てないことになると思うんです。そのためにも、もっと知識をつけて自分の担当する仕事への理解を深めること。やっぱりここに返ってきます。
社長は常々世の中の情報を採り入れながら、壮大なビジョンをブラッシュアップしていて、パワフルで頼もしい方です。
この会社の魅力、そのものですよね。ついていってお役に立ちたいとは思いつつ・・自分はしばらくはかかるかなあ、というのが見通しです。
会社の魅力は・・人知れず、人の役に立っているところ。私に合っています。
改めてこの会社に感じた魅力をお話すると、私はとにかく事業内容が大好きになったんですね、就活の頃から。
「今の世の中に必要な仕事です」と胸を張って言える、そこでしょうか。
事業説明会に行かせてもらって、第一印象は「難しいな」でした。言葉が専門的ですし、具体的に思い浮かぶことばかりではないので・・・。わからないことは多かったけど、イメージは湧いた。やってみないとわからない、やってみたい、とワクワクしたと思います。
以前から、「世の中に必要とされる仕事」がしたいと思っていました。
もちろん全ての仕事は需要があるからこそ成立していて、どの仕事も社会の役に立っていると思っています。でも私は、人からありがとうと言われる、直接感謝を向けられることにはあまり興味がわかなかったんです。
すこしマイナーなイメージになるかもしれませんが、「普段誰も気にしていないけれど、その仕事をする人たちがいなかったらムリだよね」という仕事に憧れたかもしれない。それでインフラ関係の仕事がしてみたい、とアンテナを張っていたので、そこにその事業内容がスーっと流れこんできた感覚ですね。
私が感じる会社の魅力は、もしかしたら「私が自己満足できる」ことかもしれません。こう言うと少し恥ずかしいけど、「人知れず、人の役に立っている」と思えること。
どの職業の人も、住みやすい社会に貢献するのは当たり前。インフラは、健全で当たり前です。人知れず社会を支える、良くしていく会社に出会えて、本当によかったと思っています。
入社を希望される方へのメッセージ
2年目の私の言えることは少ないのですが・・・仕事は「やってみないとわからない」です。希望通りにいかないこと、不安なことがあっても、どんと身構えてやってみてください。何か変わるかもしれません。
この会社はみんな話しやすくて雰囲気がいいので、居やすいと思いますよ!